2024.05.01

温かみと開放感、パン屋内装デザインのポイント

弊社で多数のパン屋さん・ベーカリーカフェを手掛けてきた経験を元に、パン屋外観のデザイン、内装デザインについて、明太フランス発祥のお店「THE FULL FULL HAKATA」様の事例を例に解説していきます。パン屋さんのデザインや他店との差別化を考える際の参考になれば幸いです。

キャナルシティ博多のほど近く、祇園町にあるFULL FULL様の4号店「THE FULL FULL HAKATA」。今や定番となった「明太フランス」発祥のお店の、フラッグシップストアとなるような新店舗を作りたいとご相談いただきました。

パン屋さんのコンセプト設計

店舗開業するにあたり、まず必要なのはコンセプト設計です。自社商品の独自性や強みなどをしっかりと確認しつつ、それを求めてくれるターゲットを設定し、どういったコンセプトにするかとしっかりと決めていきます。設計したコンセプトに基づいて、内装や外観ファサードのデザインに落とし込んでいきます。

THE FULLFULL HAKATAさんのコンセプトは主に以下の2点でした。

  • 自社で開発した「明太フランス」を全面に押し出す
  • 海外の旅行客にも、日本・博多の味「明太子」を使った明太フランスを味わってもらいたい、という願いから、海外のショップデザインを参考にしたい
  • 親しみがありつつ高級感も感じるようなお店

コンセプトをデザインに落とし込み、細部のデザインを決めていきます。

外観とエントランスのデザイン(ファサード)

THE FULL FULL HAKATA

路面店の場合は特に、外観は店舗の顔とも言える部分です。第一印象でコンセプトが伝わるようなデザインが大事です。

CODE STYLEの店舗デザインではモルタルやアイアンを使った、海外っぽさやヴィンテージ感のあるデザインを得意としています。「THE FULL FULL HAKATA」の外観も基本のテイストは保ちつつ、温かみのあるウッドのを使いつつ、コンセプトである「明太フランス」に合わせ、テントやサッシを暖色系でまとめています。また、入口の両隣の柱はモルタルで仕上げ、マリンランプをアクセントにしています。

シンプルな素材や色の組み合わせで、お店のコンセプトに合ったデザインを作り上げるのが大事なポイントです。

商業施設のテナントなどの場合は、アプローチを変えます。

full full

こちらは糟屋郡志免町にあるTSUTAYA BOOK GARAGE内のFULL FULL食パンラボ。レンガをふんだんに使い、しっかりと空間を分けています。店内のアンティークファクトリーランプをアクセントにしながら、食パンラボ(厨房)をガラス張りでしっかりと見せ、一目でパン屋とわかるデザインに仕上がっています。

Y0FUKASHI BAKERY&IKKON

また、こちらは西区姪浜のYOFUKASHI BAKERYさん。「昼はパン屋、夜は一献」というコンセプトを落とし込み、バーのような雰囲気を出しています。同じパン屋さんという業態でも、コンセプトの違いがここまでデザインに変化を与えるということがよくわかると思います。

パン屋の看板のデザイン

外観の一番目立つ位置に、店名を大きく載せ、テントには店名と、目玉商品である「明太フランス」をさりげなく英語で入れています。その他の情報はあえてそぎ落とし、シンプルに見せることを心がけています。

エントランスの両側に置いたグリーンが爽やかな印象を与えています。

パン屋の内装のデザイン

THE FULL FULL HAKATA

店内は厨房スペース、販売スペース、イートインスペースの3つに分かれています。明太フランスをはじめ、さまざまなパンを焼きたての状態で提供する様子をライブ感で魅せたい、という具体的な要望にお答えし、厨房のほとんどが見えるオープンキッチン仕様に。目の前でパンが出来上がる様子を楽しむことができます。

THE FULL FULL HAKATA
THE FULL FULL HAKATA

店内に入ると目の前に大きな窯。その窯に合わせてキッチンの壁は焼きレンガ風のタイルを使い、クラフト感のある仕上がりに。素材の1つ1つの選び方にも、しっかりと理由を持たせています。

出来立てのパンを陳列する什器も、内装インテリアを印象付ける大事な要素です。THE FULLFULL HAKATAでは、デザインと高さを変えた複数の什器を並べ、より立体感のある陳列ができるようにレイアウト。天板もただの板にするのではなく、斜めにカットしたデザインにすることで、高級な雰囲気を出しています。

販売スペースとレジ上にある、真鍮メッキ仕上げの照明もオリジナルでデザイン。イートインスペースは窓側にレイアウト。外を眺めながらゆっくりパンを楽しめます。

バーの雰囲気のあるパン屋さん

Y0FUKASHI BAKERY&IKKON

こちらは先ほども紹介した西区姪浜のYOFUKASHI BAKERYさん。バーカウンターにパンが並んでいるようなレイアウトで、モルタルや古材を使ったヴィンテージ感の強い内装デザインに仕上がっています。

和の雰囲気もあるパン屋さん

日咲

こちらは城南区別府にあるパン屋、日咲-hinata-さん。「日咲」という上品な日本語の店名から感じる印象と「日」という漢字をデザインに落とし込んでいます。パンが並ぶカウンターは柾目のチーク材で上品な印象に。腰壁は横向きにした「日」という形が並んでいるようにも見えるデザインに。

来店から購入、景色を楽しめる食事まで、体験を楽しむパン屋さん

FullFull 香住ヶ丘Coast

福岡市東区香住ヶ丘のFULLFULL風の森さん。緑豊かなガーデンスペース、アナログレコードが自由に聴けるカフェ、キッズスペース、レンタル可能なキッチンスペース「ファミリーラボ」など、様々な「体験」を得ることができる、新しいベーカリー&カフェです。

内装デザインもちろん、外観からガーデンまでトータルでデザインし、まさに世界観が丸ごと楽しめるアミューズメントなお店に仕上がっています。

レストランとウエディングを手掛ける老舗店舗の新しいベーカリー&カフェ

佐賀県佐賀市のレストランとウエディングを手掛けるシャトー文雅さんの新しいベーカリー&カフェ「BUNGA VILLAGE」さん。海外の建築デザインを取り入れ、世界観にこだわった新築店舗です。

BUNNGA VILLAGEさんのデザインの裏側もぜひご覧ください。

パン屋の内装デザインの費用

パン屋の内装デザインの費用は、お店のコンセプトや平米数、路面店かテナントか、新築か居抜きか、どんなプランなのか、什器や家具、照明などをどれくらい制作するか等、さまざまな要素によって変わってきますので、一概には言えません。

CODE STYLEでは、どのようなお店にしたいか、ご予算などを丁寧にヒアリングした後に、可能な限り予算に合った最大限のご提案することをモットーにしています。お気軽にご相談ください。

以上、THE FULLFULL HAKATAさんを例に、さまざまなお店をご紹介しながら、パン屋さんの内装デザインについて解説してみました。この記事がパン屋さんの出店をお考えの方の参考になれば幸いです。コンセプトを大事にし、他店と差別化した店舗デザインしたいとお考えの方は、ぜひご気軽にご相談ください。

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