あたりを森林に囲まれ梅雨の晴れ間に
清々しい空気が流れる伊勢地方。
神宮式年遷宮を終了した伊勢神宮に行ってきました。
伊勢神宮の『式年遷宮』は、
西暦690年から約1300年も続く、ご存じのとおり日本文化を代表する祭祀。
20年に一度行われる伊勢神宮の式年遷宮は8年がかりで行われるそうです。
20年の理由については諸説ありますが、昔から伝わる宮大工の技術継承など、
建築技術の保存にも密接に関わっているんですね。
他にも刀とか鏡とか装束とか、ご正宮にはたくさんの宝物を納められるため
伝統工芸を守る職人の業(わざ)の継承にもなっています。
(本殿は撮影禁止箇所があるので、階段下からのみの撮影)
正宮の建築様式は、唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)と呼ばれます。
唯一神明造は、日本古来の建築様式を伝え、ヒノキの素木しらきを用い、
高床式の穀倉(こくそう)の形式から宮殿形式に発展したものです。
屋根は萱葺(かやぶき)、柱は掘立(ほったて)など、その姿は簡素にして美しい直線美。
屋根は水分を含んだ状態と、乾燥する季節との重量差を利用して、
柱が接触していない形式で側面の壁にて重量を支えます。
この機能により穀倉(こくそう)の湿度管理を行います。
(正に自然の空調システム!)
先人の知恵・それを継承する伝統。
全てが長い時間軸の中で産まれた人々の『想い』を形作った造形美。
それが伊勢神宮の美しさだと思いました。
伊勢神宮は「4市2郡」に置かれている神社125社の総称です。
他にも内宮近くにある「猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)」
海岸沿いにある「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」等は
伊勢神宮にゆかりのある神社。
内宮・外宮を中心に、思い思いのスケジュールを組んで参拝してみるのも楽しそうですね。