60~70年代にかけての音楽史的な動きはとても興味深いものがあります。
ビートルズがそうであったように軽快なダンスサウンド~サイケデリックという一連の流れがあった音楽界。
アンディ・ウォーホルに代表されるシュルレアリスムやポップアートが花開くアート界。
ヒッピーやモッズなどのファッション界。
大阪万博にみられるポストモダニズムの主流が絶頂を迎えた建築界。
時代の流れが工業の発展やテレビメディアの流通により、流動的に動く時期。
とても濃い時代の流れが60~70年代にはありました。
そんな時にこそ、音楽も盛んに制作チャレンジが行われるものなんですね。
「ビーチボーイズ」
62~65年は海や車を題材にした爽快なナンバーで人気を得て、
一般的にはビーチ・ボーイズといえばこの時期を連想します。
The Beach Boys – Surfin’ USA
https://youtu.be/WK7Y21MZjcA
そんな絶頂を迎えていたビーチボーイズも、作詞作曲を担っていたブライアンウィルソンが突如
ライブ活動を停止してスタジオに籠って作り上げた作品が「ペット・サウンズ」
発表当時は斬新すぎてファンや評論家を戸惑わせたアルバム「ペット・サウンズ」
現在ではポピュラーミュージック史上不世出の傑作と称えられ、
後世のミュージシャンに多大な影響を与えています。
ポール・マッカートニーが絶賛したというのも有名な逸話です。
と言いながら、初期のビーチボーイズが好きな自分も、
このアルバムを噛みしめるのに時間はかかりました。
芸術思想シュルレアリスムが一般的?に理解が難しいのと同様、
サイケデリックな「ペット・サウンズ」は
ブライアンウィルソンのソロアルバムとしてとらえた方が聴きやすいのかもしれません。
そのあたりはブライアンウィルソン公認の映画「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」に詳しく紹介されています。
ショップデザインを考えた時には店内BGMでセレクトする音楽はやはり初期のビーチボーイズ。
でも、ちょっと思索にふけたい時や部屋で楽しみに聴く音楽などには「ペット・サウンズ」は
おススメのアルバムだと思います。