書棚と借景が“一体化”する創造空間

福岡市中央区S様邸リノベーション

大学図書館の司書としてお勤めのSさん(女性)が、終の住処として選んだ約18坪の空間には、いたるところにご本人の人生観が凝縮されています。

とりわけリビングのつくりはその象徴です。以前まで和室だった角の小部屋を現在のダイニングとひと続きにし、広さを確保。同時にリビング窓側の壁面をつかった本棚を造作しました。長年にわたり図書の仕事に携わってきたとあり、文庫小説や児童書の他、アート、インテリア関連書籍も数多く所有するSさん。ひとたび家に帰ってもなお「本」はご自身の生活において、もはや欠かすことのできない存在です。

また、棚の造作にあたっては、部屋の改装にも勝る熱量でコードスタイルの設計担当者がご本人の本の配置イメージに合わせた幅や高さ、奥行きを設定。さらに、壁の窓、そこから望む緑の景色を生かした大胆な形状もシンボリックな仕上りに。窓枠を囲う本が、まるでアートフレームの役割を果たしているような空間は、静かにページをめくる愛おしいひとときのために、Sさんたっての希望から実現しました。

また、いずれ健康や体力の衰えとともに心配が募る部屋間の移動を容易に行えるよう、幅にゆとりをもたせた通路づくりやフラットな区画(バリアフリー)はじめ、スイッチ、キッチン台、ドアハンドル、鏡などのすべてを、低位置に設計した点も、将来を見据えたSさんの思いがこもっています。

「極力ミニマルに」。シンプルという捉え方とも異なるオーダーとなった今回のプロジェクト。明かりも装飾も無駄なものは省き、一連の生活動作が美しく完結する動線づくりを中心に、普段の施工で滅多に使用しない再生材の利用などにより、空間(質感)と所有物の善きギャップが生まれました。それはもちろん“Sさん文庫(=本棚)”にも表れています。

LIGHTING ROOM

福岡市早良区O様邸リノベーション

リビングもキッチンも寝室も子供部屋も、全ての部屋に光が入るように設計された特別感溢れるリノベーション空間。

エントランスからパントリー 〜キッチンへの導線や、寝室と子供部屋を結ぶように配置されたウォークインクローゼットなど、部屋同士がつながりを持った贅沢な間取りを実現しました。

唯一外窓と面していないエントランスホールにも光が届くように、リビングとの間に、室内アイアンサッシをオリジナルで製作。モルタルの洗面台や、寝室のアクセントウォール、見せる収納のキッチンカウンターなど、随所にこだわりがあふれています。

文字通り「明るい」生活で日々を楽しめるリノベーション空間が完成しました。