まるでホテル?素材の対比がもたらすモダンムード

福岡市中央区N様邸マンションリノベーション

Nさん夫妻が購入した築40年のマンションは、福岡市中央区のなだらかな丘陵地にあります。独特の地形も手伝い、2面ルーフバルコニーからは開放的な眺望とともに、室内に向けて爽やかな外光が燦々と差し込んできます。今回のリノベーションは、その恵まれた立地環境に加え、第一子の誕生を見越し(竣工時には誕生)、幾度となく調整を図りながら進行しました。

いわゆるインダストリアルデザインを好むご主人とナチュラルテイストを望む奥様のイメージをともに実現するために工夫したのは、所々の「アクセント(=主張)」です。また、子育てに励みながらも、折節に友人や客人を招待したいという夫婦のライフスタイルを踏まえ、生活感を出さないための素材選びや間取りにも配慮しました。靴箱さえ見当たらないエントランスもその一つ。リビングへのアプローチを促す壁の“裏”に隠れた動線(と収納スペース)を設けることで入口の印象は極めてシンプルに。拡幅した通路の壁に設えたアイアンの間接照明がアトリエのような雰囲気を生み出します。一方、期待が募るリビングは、美しいパーケットフローリングを敷き詰めた一大空間が広がっています。とはいえ、要所に配置するキッチンカウンターや家具により、地続きのフロアがきちんと空間機能を果たしている点も見逃せません。物理上外せない支柱を隠すために設けた壁もディスプレイ枠を造作し、入口から続くモダンな空気感を維持。

また何より目につくのが、ガラスを組み込んだRを描くアイアンフレームです。これはリビングと寝室を結ぶ境界線。加えて中には特注の鉄格子があり、ウォークインクローゼットを確保。ともすれば無機質さが先行するアイアンも、フローリングの色味との対比や形状そのものを工夫するだけで、これほどの洗練を感じられるという好例。客人のもてなしはもとより、“視界良好”の暮らし、そして子育てに臨むご夫婦にとってこの上ない空間が実現しました。

人と猫の暮らしが調和する家

福岡市中央区N様邸リノベーション

開放的なリビングの壁から突き出る木製のステップ。モダンな飾り棚のようにも見えるその正体は、家人がこよなく愛する猫のための“アスレチック”です。今回のリノベーションにおいて一番大切にしたポイントは「間取り優先」。Nさん夫婦が、アクティブな日常を送るために選んだ立地は、車や自転車での移動もしやすい南区でした。

また、ウォークインクローゼットや土間、広々とした水回りスペースの確保など次々に溢れ出す空間イメージをかなえるために、90平米の部屋を選択。当初検討していた部屋の広さが70〜80平米ですから、大幅なスケール変更でした。一方、可動パーテーションを開け放ったリビングと直結するキッチンやフードカウンターも家人のこだわりのひとつ。時には「ゲストルーム」としてリビングを活用できるよう、食事やお酒を複数で楽しめるL字型のカウンターをオリジナルで設えました。

装飾性をとことん省き、素材の質感が際立つ空間構成もさることながら、部屋を仕切る扉の色を変えることで、全体メリハリが生まれている点にも着目したいところ。印象的なグレー&ネイビーの配色は現地で色合わせとともに塗装を行いました。扉のデザイン性を損なうことなく取り付けた猫用の扉も空間にすっきりと馴染んでいます。

「すっかり猫ものびのび暮らしてます」。引越しを終え、新生活を始めたNさん夫妻から届いた言葉には、愛猫との新生活への期待が滲んでいます。

その空間、一切の妥協なし

福岡市中央区S様邸リノベーション

圧巻ともいえる空間の余白とダイナミックな素材選び。施主であるSさん夫妻がコードスタイルに求めたのは「広さの感覚」と「素材を落とさない」の2点でした。また、ここがマンションの一室とは思えない理由の一つに、「最小限の間取り」が挙げられます。105平米のスペースはかつて小さな部屋がひしめき合う4LDKでした。

2LDK+書斎の室内構成によって生まれるストレスフリーな動線は、この家の特長を語る上で欠かせない要素の一つです。幅約110センチもある通路の延長には夫がゆっくり趣味に向き合える書斎をはじめ、衣装持ちの夫婦がシーン毎の服を選びやすいウォークインクローゼットを設置。また何より、メインスペース(ダイニング)の半分を占めるキッチンはアイランド型を採用。特殊モルタルのウォールテックス仕上げによるカウンターの質感がウォールナットの床と見事にマッチしました。

料理好きの夫婦にとって、キッチンは家族の豊かなコミュニケーションを図る最適な場所なのです。一方、施工のさなか誕生した子どものための部屋も、夫婦の思いが詰まっています。アイアン格子のガラス窓からは子どもの様子を見守れる他、子どもが種々の遊具で遊べる広さを確保。また、将来の成長に合わせてプライバシーを考慮したブラインドも追加しました。

また、子ども部屋の壁にも使用した印象的なタイルも、玄関や洗面室など所々に色や形を変えてアクセントをプラス。「素材を落とさない」という意思をそのまま投影したつくりは、天井を含む空間すべての壁を左官により仕上げた他、パーケット仕様のチーク材を吊ったダイニングの天井など、とことん細部にまで表れています。

最上階インナーバルコニーの家

福岡市南区N様邸リノベーション

高台にあるマンション最上階のお部屋をリノベーション。

眺望を最大限に生かした広いリビング〜ダイニングをプランニングしました。

グリーンを楽しむためのタイル張りインナーバルコニーにはたくさんの光が差し込み、新しい生活を彩り豊かなものに。

エントランスや廊下には趣味の自転車や本が並び、住む人のライフスタイルが反映された空間に仕上がりました。

壁と床の対比

壁と床の対比

こだわりの無垢ウォルナットフローリング。

対比するように貼られた薄いグレーのタイル。

一部分をタイル床にすることで空間を引き締めています。

すべてを新しく造るのではなく、建具など、既存のモノを再利用することでコストもぐっと抑えられました。